旬な人研究★ザ・ドリフターズ
計算とアドリブの妙
今回は、旬な人、というより、旬な皆さん、って感じです★
志村けんさんがお亡くなりになって、ドリフのギャグで育った日本中の皆さんが、親戚のおじさんが亡くなってしまったかのようなショックを受けているのを拝見して、こんな暗いニュースしか報道されない時にこそ、彼のような存在は大切なのに……と、悔しい思いでいっぱいです。
正直、私が彼の死を知った時に思ったのは「パンくぅん……! T^T」でした。
(天才志村動物園に出演していたオスのチンパンジーです)
というのも、実は私、あまりザ・ドリフターズの番組を見た記憶がないのです。
お笑いに興味がなかったか、もしくは、金だらいが落ちてきて頭に当たるので、痛いだろうなと思って見ていられなかったか。
というのも、唯一強烈に覚えているコントが
芝居(内容忘れたけど一般家庭のお茶の間みたいなセットだった気がするいかりや長介氏がお母さん役、あとの人が子ども役だった……ような)
↓
頭にたらいが1個落ちてくる
↓
芝居(内容忘れた)
↓
頭にたらいが複数個落ちてくる
↓
芝居(内容忘れた)
↓
頭にたらいがいっぱい落ちてくる
↓
芝居(内容忘れた)
↓
お茶の間の天井から水がドバっと降ってくる
↓
撤収の音楽
という構成だから。
他人が痛い思いをしていることで笑うのは、今でも苦手です。
だから、漫才でツッコミがボケの頭をパーン!とはたくのも、実は苦手です。
あれ、絶対に痛いです……。
マジメか(笑)!
はい、マジメです。
それが私のパーソナリティーなので仕方ない、とようやく開き直れるようになりました。
今になって冷静に構成を見ると、最後の最後でどんでん返しがあって、そのスケールも半端なくて、すごいですよね。
まさか、舞台の上で大量の水がザバー!と降ってくるなんて思いもしませんから。
これを、今の技術なんてない状態で手作りしていたわけで……。
裏方さんも相当大変だったのではないかと思います。
水って、相当重いですし。
少しでも事前に水が漏れたりしようものなら、コント全てが台無しになりますからね。
そういえばコントのネタ、誰が作っていたのだろう?と思って色々ネットを見ていたところ……
・初期の頃は、メインでネタを作っていたのは、リーダーだったいかりや長介氏。
・人気が出た頃からは、専属のネタや脚本のスタッフがいたらしい
・ただ、いかりや氏が大変厳しくて、ダメ出しが非常に多かったのでスタッフは皆大変だった
・加藤茶氏、志村けん氏もコントのネタは作っていた。
・志村氏が加入した時、加藤氏が「これでコントのネタ出しが少しは楽になる!」と思ったらしい
という情報を拾いました。
この情報の真偽はわかりません。
ですが、サイグラム的に分析すると、ある程度まで「これは真実なんだろうな」「これは違うだろうな」と絞りこむことはできます。
まずはいかりや長介氏。
彼のパーソナリティーを説明するキーワードは
完璧主義
論理的
慎重な計画立案
です。
初期のコントの台本は、リーダーである彼が作っていた、というのは、ま、順当でしょうね。
言い出しっぺがリーダーになるでしょうし、言い出しっぺが最初は全部やりますからねぇ。
そして、いかりや氏は完璧主義者。妥協は一切ありません。
ということは。
あのコントは、全部が計算され尽くしていたんですね。
間の取り方、目線の投げ方、一挙手一投足に至るまで、全てウケることを狙って作られています。
(他のお笑いの皆さんのコントも同じだと思いますが、いかりや長介氏のタイプの完璧主義は、病的に見えるかもね)
人気が出たら、専門のスタッフが脚本を書く、これも信ぴょう性がありそうです。
確か、毎週放映されていたハズ。
彼らもブレイクして、ネタ作りだけに集中できなかったでしょうから。
そして、いかりや氏は完璧主義者。
だからこそ、スタッフの脚本が気に入らなければ、何度でも手直しさせたと思います。
以上を考えると、ダメ出しが多かった、というのもその通りだったのだろうな、と思います。
次は、加藤茶氏。
彼のキーワードは、
論理的な組み立ては得意
広く浅く好奇心旺盛
大らかでまあ何とかなる、と超ポジティブ
です。
好奇心旺盛で気持ちが若く、ま何とかなるよ、と思って行動に移す力は、45歳差の奥様と再婚されたのを見ると、さもありなん、という感じです。
コントのネタを作っていた、というのも間違いないと思います。
彼のタイプは、言葉の組み立てが得意な人が多いです。
そして、おおらかで細かいことを気にしない人でもあるので、後から加入した志村けん氏の方が人気が出ても、そこに妬みやジェラシーはなく、サポートに徹することができました。
逆に、彼はこれができたからこそ、今でもテレビで活躍できるのだと思います。
最後に、志村けん氏。
彼のタイプの特徴は、
感覚重視、実際にカンが良い
信用第一
観察眼がある
自然と注目が集まる
といったところですかね。
どうすれば観客が沸くか、理屈ではなく感覚でわかってしまうんです。
で、実際にやってみるとウケる。
今のお笑い芸人さんが一番欲しい才能かもしれません。
また、信用を壊すことを絶対にしないので、不快な感情を人前に出しません。
たった一度感情を表に出すだけで、それまで築いてきた信頼関係を崩すようなことをしないのです。
だからこそ、交友のあった皆さんからあれだけ慕われていたのでしょう。
そして、彼のタイプは、観察眼に秀でています。彼が演じていたコントのキャラクターは、そういった観察眼から興味を引かれた人物をよく見て、面白いところをデフォルメしたのではないかと思います。
ドリフの番組はなぜ面白かったのか?
『8時だョ!全員集合』という土曜の夜にやっていた番組は、平均視聴率が27.3%、最高視聴率が50.5%(ただし関東地区)というモンスター番組でした。
番組を見ていないと翌週の学校で友達の話についていけないほどの、そして、番組の中の替え歌を歌ってはいけないと、学校の集会で校長先生がわざわざ注意するくらいの人気だったようです。
なぜそんなに人気があったのか?なぜドリフの番組が面白かったのか?
サイグラム的な面から理由を考えてみました。
それが、タイトルの「計算とアドリブの妙」です。
何度も台本を手直しし、緻密に計算し、積み重ね、完璧にコントを演るいかりや長介氏。
タイプ的に他のメンバーは彼に追従したと思います。
……志村けん氏を除いて(笑)
先ほど書いた通り、志村けん氏は、理屈ではなく、感覚で「こうやれば絶対にウケる」がわかる人。
そして、わかっているからこそすぐに行動できる人。
なので、本番で、彼はとんでもないアドリブや、リハーサルでダメ出しされたアドリブをどんどん入れていったのだろうと思います。
予測不可能なんだから、共演者のリアクションが素に戻る時もある。
作られたものでない反応は、観客にも伝わります。
だからおもしろい。
とはいえ、リーダーのいかりや氏は、環境変化の対応が苦手なタイプ。
それでも、志村氏のアドリブで観客がドッと沸くのを見ると、黙認せざるを得なかっただろうな、と思います。
タイプ的にも、志村氏の方が優位ですしね。
計算され尽くして、稽古し尽くして、完璧となった状態に、予測不可能なアドリブが完璧を崩す、それを観客が笑う……そんなコントだったのではないかな、と。
全員のパーソナリティーがわかったので、もう一度ドリフのコントを見てみたいなぁと思います♪
……
ということで、ザ・ドリフターズの一部メンバー(全員ではないけれど)の個性から分析してみました。
……うーん、まだ不十分。
色々情報を確かめたら、コッソリ追記していきます。