アメがアメにならないパターン７つ
１ もともとハングリーではない。少しのアメで満足なパターン
タバコも吸わない、お酒もほとんど飲まない、ブランド品もいらない、出世にも興味がない……そんな「さとり世代」が社会に出て随分経ちます。
「お金を貯めて車を買って、家を建てて……」なんてテンプレはもはや通用しないと思ってください。
「欲しいものは特にないです」という人に「給料を増やすから仕事量を増やしていい？」と言ったところで、オファーに魅力を感じる、響く、とは限らないのです。
２ アメが少なすぎるパターン
これは解説不要でしょう。
「こんなハシタ金であの大変な仕事？ 割に合わないでしょ」です。
それでも先の昇給が見えていれば、「今はダメでも頑張ろう……！」と思えるかもしれませんが、昇給の保証などどこにもない今の時代ならなおさらです。
自分だったらしないな……と思うことを、命令する側になると当然のように強要するケースを何度も目撃しています。
一歩間違えると、ハラスメントと言われてしまいかねません。
３ アメも大きいが仕事も大きいパターン
上と違って、こちらはアメと仕事のバランスがきちんと取れています。
ですが、大きなアメであればあるほど、当然仕事も大きく責任も重くなります。
「報酬が大きいのはわかりますよ。でも、そのためにどれだけコッチが大変な思いをするかわかってます？」
といったところでしょうか。
やりがいと思うか、負荷と思うかは、その人の性格や体調など、総合的な心身の状態、家族の状態など環境が影響します。
「自分だったら喜んで引き受けるところなのに……」
と思うかもしれませんが、事情は個人によって異なります。
４ アメは大きくても能力以上のものを求められていることがわかるパターン
「いや、これ、自分には絶対に無理です！！！」としりごみしてしまうケースです。
新しい知識を習得したり、技術を学んだりしないと業務が進まない場合、チャレンジに喜びを見出せる人であれば良いですが、余裕がないと大きな負担に感じてしまいます。
そして「（自分は嫌なのに）やらされるのか……」と思うので、アメを見せられてもそれがアメだと認識できません。
５ そもそも提供されるアメが好きではないパターン
ダイバーシティ（多様化）が叫ばれる現代において、価値観も多様化してきています。
たとえば、ミニマリストに向かって「これだけ報酬を出すよ。お金がたくさんあれば欲しいものをたくさん買えるでしょう」と言っても、彼らは極限までモノを減らしてシンプルに生活したい人なので、誘い文句が機能しないのはおわかりいただけると思います。
同様に「給料よりもちゃんと有給休暇が取れる方が大事」な価値観の部下に対して「休日手当がつくから土日出勤してくれ」と言ったら、アメどころか、言われた本人はムチだと感じることでしょう。
６ アメを組織の中に求めていないパターン
これは５の変形ですが、特殊なケースです。ただ、潜在的に相当数いるのではないかと思います。
たとえば、アイドルの追っかけが大好きな人にとって、会社はその追っかけを楽しむために収入を得る手段でしかありません。
そのためにお金は必要でしょ？と思うかもしれませんが、たとえば、そのお金のために忙しくなって趣味の世界に没頭する時間が少なくなる方が耐えられないのです。
つまり、その人にとっては、アメは全く別の世界に存在しているのです。
ちなみに、このケース、中途半端な知識しかないのなら口を挟まないこと。
こだわりが強いので、「何もわかっていないクセに適当なことを言うな」と反感を買ってしまいかねません。生兵法は大怪我のもと、です。
７ アメを与えると言っておきながら、与えなかった前科があるパターン
信頼関係が壊れる最悪のパターンです。
これも特殊なケースですが、結構身近に起きているのではないかと思います。というのも、私が会社を辞めようと決意したのはコレだったからです。
「結果を出せ、そうすればキミに与えるアメはこれだ」と言われたので必死にやって結果を出したのに、フタを開けてみたら「そんなことを言った覚えはない」と手のひら返しで、結局アメがもらえない……。
その後どんなにアメをちらつかせられても、「どうせそのアメ、くれないんでしょ」となります。もはやモチベーション以前の問題です。
お調子者で明るくて、皆から好かれている、と定評？ある管理職さん、ポロッと調子のいいことを言ってしまって「やっぱりアレはナシ！」を繰り返すようなことは絶対にダメです。
部下は、アナタのことを愛すべきキャラクターだなんて思っていません。ただの信用できない嘘つきです。
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