上の人が言わない方が良い口癖

私が普段接する方は、会社を辞めて独立してから組織でもかなり上にいる方が多くなりました。
社長さん、会長さん、自治体の長の方など。

組織診断士、というお仕事をさせていただいておりますので、研修の時以外は、「いかに今ある人員を最大限に活かし、強い組織に変えていくか」の意見交換をしつつ、職員さんや従業員さんの特性を加味しつつ、能力を考慮しつつ、緩やかなカイゼンを心掛けています。
腐敗しきった組織の荒療治、であれば効果はありますが、急に組織を変えることは、薬になるよりも毒になってしまうことが多いからです。

そんなこんなで、多くの方とオンライン、オフライン通してコミュニケーションさせていただく中で、ある経営者さんの口癖が気になったんです。

その方は、一代で事業を起こし、従業員を数多く抱えるまで会社を大きくした、いわゆる叩き上げの人。
だから、時流の波を見極めるのがうまいし、何よりも判断が早い。
相手が中国だろうとアメリカだろうと、日本語オンリーで押し切る勢い(笑)も素晴らしい!
ヒトコトで言うなら、良くも悪くも昭和の頑固オヤジ。

で、事業継承で二代目(息子さん)に譲ろうかどうしようか……と悩んでいらして、自分が社長職を退き、会長職に就いた場合、自分の腹心の部下と、社長になった息子がうまくやれるのだろうか?と考えた末、ご縁があって私にご相談くださったんです。

お話をうかがっている間、その社長さんが多発したのが

「実は」

なんです。

「ともかさん、実はね……」

「さっきの話、実は……」

「実は」というのは、「本当は」という意味。

「あの花瓶を割ったの、実は私なんです」のような使い方をしますよね。

これを多用されると

▲じゃあ、いままでの話は?嘘?いい加減な情報?

▲今の発言は建前?それとも本音?

▲まだ聞かされていない情報があるんじゃないか?

という思いがだんだん頭を支配してきます。
そうすると、本来必要ないことに思考が向かってしまい、本当に必要な情報が拾いにくくなってしまうんです。
気を取られてしまう、というヤツです。
気付いているならコントロールしろよ、と自分で自分にツッコんでみたりするのですが、細かいことが気になってしまうのが、私の良くも悪くも……なところ。

もちろん、社長さんに悪気がないのはわかっています。
完全に口癖で、「実は」の意味で使っていない箇所でもたくさん出てきていました。
とはいえ、相手に誤解を与えてしまいかねない言葉を、経営者が多用するのはやめた方が良いでしょうね。

経営者さんでなくても、口癖は無意識に出てしまうものです。
そして、一番気づきにくいものでもあります。
私も、ある人から去年の10月に指摘されたものがあり、「それはいかん!」と改めているところです。
一日に何十回(もしかしたら何百回)も、無意識のうちに自分に言い聞かせることになりますから、修正するなら早いうちに!でございます。

追伸:私が口癖を気にしはじめたのは、前職の某部署の課長さんが、話のたびに「一応~」と言ってから話すのを、新人研修でずっと聞いていたからなんです。
一応ってことは、今の話では完結しないってこと???
どれが一応???
当時新入社員だったすれてない(笑)私は、一人で首をかしげてましたとさ(;^_^A

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