旬な人研究★ジャニー喜多川氏
これから、たま~に
組織診断士であるワタクシ、木村智佳が気になった有名人を取り上げ、その人となりを考察してまいりたいと思います。
第一回目は、 お亡くなりになってしまいましたが、ジャニー喜多川氏を取り上げます。
個人的に興味が出た理由は「田中角栄と松下幸之助を同居させていた男」だからです。
もちろん、実際に同居させたわけではないですよ。
彼が、田中角栄と松下幸之助の気質を両方持っていた、という意味です。
政治の世界でトップに立った人、実業の世界で巨大な企業を作り上げた人、のどちらのタイプも持ち合わせていたということは…事業で成功する確率は非常に高いってことです。実際にそうでしたしね。
売上は年商700億円規模ではないか?という試算も出ています。
すごいわ~!!!
簡単ですが経歴を。
誰かのためというより疎い自分用に調べました。(;^_^A
本名は、John Hiromu Kitagawa。アメリカ生まれの日系二世。
だから愛称がジャニー(Johnny)なんですね。
お父様は、真言宗、アメリカの別院の僧侶だそうです…ってマジですか!?
そんな彼がどうやってエンタメ業界に入ったのでしょうか?
お父様のいらっしゃるアメリカのお寺で、美空ひばりさんのコンサートがあり、ステージマネジメントをつとめたことがキッカケだそう。
ここで日本の芸能界とのパイプができたんですね。
その後来日。
大東亜戦争の際は和歌山へ疎開するご経験もされており、平和の大切さを説く一面もあったそうです。
そんな彼が芸能事務所を作ることになったきっかけは、少年野球のチームでコーチをしていて、雨で練習できなかった時のこと。少年たちを連れて映画「ウエストサイド物語」を観に行って感動し、エンタメ業界への進出を決心します。
正式に会社として法人登記したのは1975年。それから後に彼が手がけたアイドル達の活躍は、ここに書くまでもないと思います。
…などと書きましたが、アイドル、全然興味なかったんですよ…。
名前やグループは知っているけれど、どんな歌を歌っているか、全く知らなかったんです。
あ、これ、嵐の曲だったんだ、へ~!なんてこともしばしば。
親戚のお姉ちゃんが、追っかけをしていたのを見たり、SMAPや嵐のファンクラブに入っている子とか、その嵐のコンサートがディズニーシーで開催されると聞いて、H食品のカレールーをこれでもかと買って応募した子(ちなみに私も協力しました・笑)とかを見たりしては、そこまで熱くなれるものがあっていいな~と思っておりました。
さて。話を戻しましょう。
経歴や逸話を見ていて思ったのは「この人、アクティブグループだろうな」でした。
調べたら、ビンゴ!
「Youやっちゃいなよ」
なんて、行動優先型の最たるもんです。思考優先型の人は「とりあえず動いてみろ」なんて絶対に言いません。
彼はアクティブグループのタイプ5。
ひとことで言うと…親分。
まさにジャニーズのアイドル達の親(分)的存在だったようなので、気質に即したお仕事を選ばれたのだな、と思います。
このタイプ5は、田中角栄氏と一緒。
野生の勘と行動力を武器に人生を切り拓いていかれたんですね。
そして、感情優先型に近いタイプなので、人懐っこい部分も持ち合わせています。
ネットから拾ったエピソードからもわかります。
本番が終わったら、一人ひとりにねぎらいの言葉をかける
マスコミへの差し入れを自ら買う
マスコミへのもてなしも自分で行う
この辺は、田中角栄氏の人心掌握を思い起こします。
「あの田中さんが自分のためにここまでしてくださるなんて…!」と人は感激し、角栄氏のとりこになったそうですが、「あのジャニーさんから声をかけてもらえるなんて…」「差し入れまでいただくなんて…」と、絶大な効果があったことでしょう。
こんな面も持ちつつ、タイプ5ならではの豪胆…もとい、大雑把なところも。
自分で電話をかけておきながら「You誰?」
電話を反対に持って「声が聞こえない!」
香取(慎吾)さんに「Youが面倒みてよ」と当時9歳のHey Say JUMP!の知念(侑李)さんを撮影現場で渡す
いくらなんでも雑すぎませんか(笑)
現場を和ませるために…などと計算されたものではなく、素でしょうね。
そもそも、誰に対しても「You」と呼ぶのも、「人の名前を覚えられない」から最初から覚えるのをやめちゃう、というタイプ5らしい諦めの早さが見え隠れしており、加えて「間違って呼ばれたらショックだろうから」という繊細な気遣いを見せるところが、松下幸之助(アクティブグループのタイプ6)を彷彿とさせます。
名前に関する、同じタイプ5の田中角栄氏のエピソードは対照的です。
角栄氏は、官僚のフルネーム等を全て記憶していたそうですが、それでもど忘れした時は「君の名前はなんだったかな?」と話しかけ、相手が「〇〇です」と苗字を言うと「そんなのはわかってる、下の名前の方だよ」と言い、相手に「フルネームで覚えてくれているのか!」と感動させたのは有名な話。
まさに人たらし。
この場面でこの機転というか、この頭の回転、アクティブだわぁ。
さて。分析はこのくらいにして。
私がジャニーさんをすごいな、と思ったのは、写真が「普通のおじさま」にしか見えなかったところ。
エンタメ業界なので、社長はもっとギラギラしているものとばかり思っておりました。
でも、実際は、養成所などで「Youたちお腹減ってない?」と言ってはナポリタンを作ってくれたり、敬語もなく、ジャニーさんだとわからない子が「おじさん」と言っても怒らず、稽古の後は自ら進んで後片付けをし始めちゃうような方だったようです。
まさにこれ、サーバントリーダーです。
サーバントは、使用人、召使い、という意味。
サーバントとリーダーは相容れない用語に思えますが、価値観が多様化する今の世の中で、強いカリスマ性とリーダーシップを発揮するリーダーよりも、組織をまとめやすいと言われているのが、このサーバントリーダーなのです。
私も、一度「リーダーとは何か?」とある先生に質問したことがあり、そのお返事は「小使いさん(学校の用務員さんと言えばわかりやすいかしら)」でした。
つまり、組織に対して一番奉仕するのがリーダーですよ、ってことです。
サーバントリーダーには、次の能力が求められるとされています。
1. Listening(傾聴):まず相手が望んでいることを理解する
2. Empathy(共感):相手の立場に立つ、またどんな人間も不完全であると理解してどんな時も受け入れる
3. Healing(癒し):相手の心を無傷の状態にして本来の力を発揮させ、欠けている力を補い合う
4. Awareness(気づき):物事をありのままで見る、自分でも相手にも気づきを得、気付きを与えられる
5. Persuasive(説得):権限で服従させるのではなく相手とコンセンサスを取る
6. Conceptualization(概念化):大きなビジョン、コンセプトを持ち、それを相手に伝えられる
7. Foresight(先見力):現在と過去の出来事から直感的に未来を予想する
8. Stewardship(利他心):一歩引き、自分の利益よりも相手の利益を喜ぶことができる
9. Committed to growth of others(成長へのコミット):仲間の成長を促すことにコミットし、一人ひとりが持っている力や価値に気づく
10. Community building(コミュニティづくり):チームワークと協調を促進するコミュニティを創り出す
(以上某米人材会社より情報をお借りしました。翻訳、情報のまとめはワタクシ)
アナタは、サーバントリーダーっていいな、と思いましたか?
ご自分がなりたい、と思いますか?
アナタがもしリーダー的立場にいらっしゃるとしたら、10のうち、いくつ実践できていますか?
自分を律し、相手をよく見、大きな視座を失わず、利他の精神で奉仕し続ける…要求される内容が、非常に多く、かつ高度でです。
ですが、せっかくお役目をいただいてリーダーを拝命するなら、ジャニーさんのように、亡くなる間際に自分の育てた子供たちが入れ替わり立ち替わり病室を訪れてくれるような人でありたいな、と思うわけです。
アナタは、自分が亡くなった時、弔辞でどう言われたいですか?
そう言われる人になる努力、していますか?